「本を読むのが遅い」「積ん読本がたまっている」「読んでもすぐに忘れてしまう」という悩みを抱えていませんか?
本を読むのが遅い、読んでも自分の物にならないのは、読書技術がレベル1のままで止まっているからです。
今回ご紹介する「本を読む本」は、読書技術を上げることで、読書効率を高め本の内容を自分の物にするための本です。
こんな方におすすめ
- 読書技術を高めたい人
- 読書速度を速めたい人
- 読んだ内容を記憶したい人
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本を読む本とは
本を読む本は、積極的に本を読み、読書技術と読書力を高める為の本。
読書技術と積極性これは「本を読む人」のための本である。「これから本を読みたい人」のための本でもある。つまり、「読む」ことによって知識を得、理解を深め、すぐれた読書家になりたいと思う人のために書かれた本である
読書には2つの目的がある。
読書には、情報を得るための読書と理解を深めるための読書がある。目的の違う2種類の読書は、初めからハッキリ区別して考える必要がある。目的が2つあるのだから読み方にも当然二通りあって良いはずである。
1つは新聞雑誌のようなものを読む場合で、こういうものは読み手の読書力や理解力に応じてすぐに内容が理解できる。だが、こういう手のものは、情報の量を増やしてくれるだけで理解を深めるには役立たない。
もう一つは、前に読んで完全に理解できなかったものに今一度挑戦する場合である。つまり、自分の理解を上回る本を読み直すことによって、読み手は理解を深めていくのである。
本を読む本は、自分の理解を深めるための読書の技術を教える本。
積極的読書の必要性
小学生の頃、国語の授業で本は書かれたとおり正しく読むように教わってから、読書も正しく読むものという固定観念を持ってしまった。
しかし、本来読書とは自分の理解を深め世界を広げ精神性を高めるために行うこと。そのため、読書には積極性が必要になる。
「読む」という行為には、いついかなる場合でも、ある程度、積極性が必要である。完全に受け身の読書などありえない。読むということは、程度の差こそあれ、ともかく積極的な行為だが、積極性の高い読書ほど、良い読書だということをとくに指摘したい
では、積極的に読書をするためにはどうすればいいのだろうか?、筆者は以下のように述べている。
「読んでいるあいだに質問をすること。その質問には、さらに読書をつづけているあいだに、自分自身で回答するよう努力すること」
読書は著者と読者の対話でなければならない。たぶん著者はその間題について読者より多くのことを知っている。でなければ読者がその本をわざわざ読んだりするはずがない。しかし理解するというはたらきは一方通行ではない。本当に学ぶには自分自身に問いかけ、それから教師に質問をしなければならない。教師の言っていることがわかったら、教師とのあいだで議論をたたかわすことも辞さぬようでなくてはならない。
積極的読書とは、自分の疑問・質問を明確にしたうえで、著者との対話をすること。
本を読む技術
本を読む技術は4つのレベルがある。
- Lv.1:初級読書
- Lv.2:点検読書
- Lv.3:分析読書
- Lv.4:シントピカル読書
Lv.1 初級読書
初級読書は、小学生~中学生ぐらいまでに学ぶ読書法。ここでは以下の4段階を踏んでいく。
- 読み方の準備期
- 読み方を覚える
- 用語が増える
- 読書技術に磨きをかける
初級読書では、正しく文章を読めるようになり、自分の考えを少し持つことができるレベル。
学校で教わるのはここまで、レベル1の状態で多くの本を読もうとすると時間がかかり記憶にも定着しない。
Lv.2 点検読書
点検読書の目的は、限られた時間で本を把握する読書法。本を把握する方法は主に2つ。点検読書は、本屋さんで「読みたいと思う本」を選ぶときに行う。
拾い読みと下読み
本の表紙から、表題とキャッチコピーを見て、目次から本の構造を調べ、この本が何を伝えようとしているのかをパッと理解する。
表面読み
次にページをパラパラと読みながら、気になるポイントをサッと読んでいく。
Lv.3 分析読書
分析読書は、いくつもの質問と著者との対話をすすめながら、本を深く理解し自分に気づきを与える読書法。以下の3段階を踏んでいく。
第1段階 何についての本か見分ける
何に書かれている本かを分類し、本のアウトラインから、著者が伝えようとしている意図を見つけていく。
第2段階 内容を解釈する
本の中から、よく出るキーワードや自分が気になるキーワードを見つけて、キーワードから著者の考えや伝えようとしてることを把握していく。
気になるところ、重要と思える箇所に線を引くなどして、明確化していく。
第3段階 知識の伝達されたか
第2段階で明確にした著者を考えに対して、質問や批判と反論をする。
著者に質問や批判と反論をするためには、自分の「考え」が必要になる。第3段階の目的は、
著者を批判することではなく、自分の考えを明確にして理解を深めることにある。
Lv.4 シントピカル読書
シントピカル読書とは同一主題について2冊以上の本を読む読書法。一つのテーマについて理解を深めたいときに、異なる著者の本を読むことで、自分の理解をさらに深めていくこと。
シントピカル読書は以下5つの段階を踏んでいく。
第1段階 関連箇所を見つける
まず、自分が知りたいこと・理解したいことを明確にする。次に複数の本を分析し、重要な箇所(知りたいことが書かれている箇所)やキーワードをピックアップしていく。
第2段階 著者に折り合いをつける
次に、重要な箇所やキーワード周辺を読み込み、著者が伝えたいことを明確にしていく。
第3段階 質問を明確にする
同じテーマの本でも、著者の考えや伝えたいことは異なるもの。そのちがいを引き出すために、著者に対して質問をする。
第4段階 論点を定める
質問が明確であり、それに対する著者の答えがあい対立していることがはっきりしたら、論点が生じたことになる
同じテーマについて書かれているのに、考えや答えちがいがうまれたときに、「いったい何が正しいのか?」という疑問が自分の心の中で生じる。
第5段階 主題についての論考を分析する
複数の著者に対して質問・批判・反論を繰り返しながら、心の中で生じた疑問について考え理解を深めていく。このときに気づいたことがあれば、それが今の自分にとっての「正しい答え」になる。
シントピカル読書は、質問に対する答えや、主題の最終的解決を目的としているわけではない。つまり、重要な論点に関する意見が、真実かまちがいかをきめようとすれば、独断的になり、弁証法的ではなくなる。それではシントピカルの意味が失われてしまう。
ここで言いたいのは、重要な論考で一つ余計に意見を述べたからといって、それが重みをもたないということではなく、理解を追求するうえに、もっとも重要な貢献は、絶対の客観性と公正さであるということである。シントピカルな分析が獲得しようとしている特性は、「弁証法的客観性」という言葉に要約される。
簡単に言えば、シントピカル読書をする人は、あらゆる側面から公平にものを見るようにする。
まとめ
読書の目的は、本を読むことではなく、本を読むことで自分の世界を広げ理解を深めること。
そのために、その本を読む目的を明確にしたうえで、読書技術を使いながら積極的読書を行うことが重要になってきます。
読書技術を習得することで、本の内容をそのまま記憶することではなく、自分としての意見や考えを明確にすることができるようになります。
「本を読む本」は、読書技術を高めたい方にオススメの本です。